『白雪姫』 実写版、酷評にもかかわらず北米興行収入で首位に
実写版『白雪姫』は多くの論争を巻き起こしましたが、北米の興行収入で首位を獲得しました。しかし、否定的なレビューや政治的な騒動が世界的な売上に影響を与えた可能性があります。

賛否両論の話題作、北米では健闘するも世界では苦戦
数々の酷評と公開前の論争にもかかわらず、クラシック童話の実写版『白雪姫』が北米の興行収入ランキングで首位を獲得しました。公開初週末の世界興行収入は推定8,730万ドルで、その約半分がアメリカとカナダでの売上です。
しかし、2億7,000万ドル以上とされる制作費に比べると、この収益は期待外れとされています。
予想外の興行成績
1937年の名作アニメーションの再解釈ということで、大ヒットが見込まれていたこの作品。北米での興行収入1位は快挙ではありますが、映画業界のトレンドや視聴習慣の変化を考慮しても、収益の勢いには欠ける結果となりました。
公開前から論争の的に
公開前から本作は数々の議論を呼びました。主役の白雪姫にコロンビア系アメリカ人のレイチェル・ゼグラーがキャスティングされたことで、多様性を歓迎する声と同時に、「原作から離れすぎている」とする批判も起こりました。
また、ゼグラーのパレスチナ支持発言や、悪の女王役を演じたガル・ガドットのイスラエル支持発言も論争の火種となりました。
小人たちの描写をめぐる議論
7人の小人の描写についても、実写での起用かCGIかが論争に。CGによる表現は創造性と自由の象徴と見る向きもあれば、「包摂的なキャスティングの機会を逃した」との批判もあります。
ビジュアル面も一部から「不気味」との評価を受けており、物語の没入感を損ねたとの意見も見られます。
賛否両論のレビュー
Rotten Tomatoesでは批評家のスコアが44%と低評価である一方、一般観客の反応は73%と、比較的好意的です。
「恐ろしくひどい」との酷評から、「魅力的な部分もある」という温かい評価まで、批評は真っ二つ。混乱したトーンとストーリーテリングのミスマッチが指摘されています。
国際市場での苦戦
中国市場ではトップ5にも入れず、3日間の興行収入は100万ドルに満たないという結果に。アジア全体でハリウッド映画への関心が薄れている中、政治的な論争も海外市場での人気低迷に影響を与えた可能性があります。
2025年で最も分断を生んだ映画?
『白雪姫』実写版は、映画そのものよりも、文化的・政治的な論争を巻き起こした点で記憶に残る作品になりそうです。多様性、表現の自由、そして現代のエンタメの方向性を巡る議論を映し出す“鏡”としての存在価値が問われています。
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